2026.05.13
助産師の1日の仕事の流れ
助産師の仕事は、大きく分けると
● 妊婦健診などの産前ケア
● 出産時の分娩介助
● 産後の母子ケアや新生児への保健指導
の3つに分類されます。
助産師は、妊娠中から出産、産後まで一貫して母子を支える専門職です。
近年では、出産時のサポートだけでなく、育児相談やメンタルケア、退院後の生活支援など、関わる役割も広がっています。
基本的な業務内容はある程度決まっていますが、出産のタイミングは予測できません。
そのため、多くの医療機関では、急なお産にも対応できるよう助産師同士で役割分担を行い、シフトを調整しながら勤務しています。
ここでは、
● 分娩対応がある日の助産師の働き方
● お産が落ち着いている時期の業務内容
に分けて、助産師の1日の流れをご紹介します。
お産がない日の助産師の1日

出勤~昼休み前
お産がない日の業務は、夜勤スタッフからの「申し送り」からスタートします。
申し送りとは、患者さんの状態や注意事項をスタッフ間で共有するミーティングのことで、通常はナースステーションなどで行われます。
ここでは、
● 妊婦さんの状態
● 入院中の妊婦さんや産後のお母さんの体調
● 新生児の健康状態
● 当日の処置や注意点
などについて情報共有を行い、チーム全体で状況を把握します。
申し送りが終わると、担当する妊婦さんや新生児のもとを回診します。
妊婦さんには体温・血圧測定などのバイタルチェックを行い、新生児については心拍や呼吸状態、授乳状況などを確認します。
また、助産師は身体面のケアだけでなく、妊婦さんの不安や悩みに寄り添うことも重要な役割です。
出産への不安や育児に関する相談に応じながら、安心して出産・育児に臨めるようサポートしていきます。
昼休み後~退勤
午後は、妊婦さんへの保健指導や出産準備のサポートを中心に業務を行います。
呼吸法やリラックス方法、マッサージなど、出産時に役立つケアについて指導し、安心して出産に臨めるようサポートします。
また、お腹の赤ちゃんの状態確認も重要な業務の一つです。
胎動や心音の確認を行い、妊婦さんの体調変化にも注意を払いながら経過を観察します。
その後、退院を予定している褥婦(じょくふ)に対して、退院後の生活指導を実施します。
● 授乳や育児のポイント
● 産後の身体のケア
● 生活リズムの整え方
● 不安を感じた際の相談先
などを説明し、退院後も安心して育児ができるよう支援します。
特に初めて出産を経験したお母さんは、不安を抱えていることも少なくありません。
助産師は一人ひとりに寄り添いながら、不安を和らげられるよう丁寧なサポートを行います。
一日の業務が終わった後は、夜勤スタッフへ申し送りを行い、患者さんや新生児の状態を共有して退勤となります。
お産がある日の助産師の1日

出産がある日は、妊婦さんや赤ちゃんの状態を最優先にしながら業務を進めていきます。
お産は予定通りに進むとは限らず、急な対応が必要になることも多いため、助産師には冷静な判断力と柔軟な対応力が求められます。
また、分娩中は医師や看護師と連携しながら、安全に出産を迎えられるようサポートします。
助産師は、身体面のケアだけでなく、妊婦さんの不安を和らげ、安心して出産に臨めるよう精神的な支援を行うことも重要な役割です。
出勤~退勤
お産がある日も、まずは夜勤スタッフからの申し送りで業務が始まります。
申し送りでは、
● 分娩予定の妊婦さんの状態
● 陣痛の進行状況
● 胎児の状態
● 立ち会い出産の希望有無
● 注意が必要なケース
などを共有し、スタッフ全員で状況を把握します。
すでに陣痛が始まっている妊婦さんがいる場合は、助産師がそばで声をかけたり、腰をさすったりしながら、安心して出産に臨めるようサポートします。
お産の進行には個人差があり、特に初産の場合は長時間に及ぶこともあります。
そのため、助産師は妊婦さんの体調や表情、陣痛の間隔などを細かく観察しながら対応します。
子宮口が十分に開いたら分娩室へ移動し、いよいよ分娩介助が始まります。
助産師は、呼吸法やいきみ方をサポートしながら、安全に出産を迎えられるよう支援します。
赤ちゃんが無事に誕生した後は、
● 呼吸や心拍など新生児の状態確認
● 全身の清拭(せいしき)
● 母体の状態確認
を行います。
また、産院によっては、出産直後にお母さんと赤ちゃんが肌を触れ合わせる「カンガルーケア」を実施することもあります。
母子の愛着形成を支える大切な時間です。
その後、母子に異常がないことを確認したうえで病室へ案内し、分娩室の片付けや記録作成を行います。
業務終了前には、看護記録や申し送りを行い、夜勤スタッフへ情報共有をして退勤となります。
なお、担当している妊婦さんのお産が勤務時間を超える場合は、夜勤の助産師や当直医へ引き継ぎを行います。
出産は予測が難しく、昼間は変化がなかった妊婦さんが夜間に急激に進行することもあるため、誰が対応しても状況を正確に把握できるよう、詳細な記録を残すことが非常に重要です。
まとめ

助産師の仕事は、赤ちゃんを取り上げる「分娩介助」だけではありません。
妊娠中の健康管理や生活指導、出産時のサポート、産後のお母さんや新生児のケアまで、母子に寄り添いながら幅広い支援を行っています。
お産がない日は、妊婦健診や母乳指導、育児相談などを中心に、安心して出産・育児に臨めるようサポートします。
一方、お産がある日は、分娩の進行に合わせて迅速かつ柔軟に対応し、母子の安全を最優先に行動します。
また、助産師には医療的な知識や技術だけでなく、妊婦さんの不安に寄り添うコミュニケーション力や、長時間に及ぶ出産にも対応できる体力・精神力も求められます。
近年では、出産後のメンタルケアや育児支援など、助産師に期待される役割はさらに広がっています。
新しい命の誕生に関わりながら、お母さんと赤ちゃんを支え続ける助産師は、大きな責任とやりがいを感じられる非常に意義深い職業といえるでしょう。
